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2012年8月13日 (月)

「よみがえりのレシピ」の上映にあたって

委員長からのお知らせです。

在来作物をテーマに風土と農と食の関係を綴ったドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」を新発田市で上映しようと鼓童 IN SHIBATA 実行委員会で企画しました。その後、展開の広がりにつれ「よみがえりのレシピ上映実行委員会」を立ち上げることになりました。

在来作物も民俗芸能も外来と土着の交流から生まれるという部分では似たところがあります。和太鼓や民俗芸能というカテゴリーも在来作物と農というテーマも、私たちにとってはとても身近で、また暮らしや文化を見つめ直すことは地方のアイディンティを考える上で大切なことだと考えています。

5月13日に監督を招聘するために山形県寒河江市の上映会に参加しました。ここで監督と山形大学農学部准教授の江頭氏、プロデューサーの高橋氏と懇談することができ、上映後の打ち上げにも参加、新発田での上映会の際には寒河江からも応援団が駆けつけてくれることになりました。

6月5日、試写会と今後の方針を確認。その後、食の循環によるまちづくりを推進している新発田市と連携しようと、新発田市並びに食の循環によるまちづくり推進委員会に共催の申請を行いました。さらに、映画の上映にあわせて新発田地域の在来作物を調査すべく江頭先生に紹介していただいた村上の小野さん(元新潟県新発田地域振興局農業普及員)から平成18年・19年当時の在来作物調査資料をいただきました。

この事業はチケット収入だけではまかないきれず、活動財源を確保するため、新発田市食料・農業推進協議会に助成金の申請、また企業協賛についてもお願いすることにしました。この後、広く財源を確保するため個人を含めた賛助金の募集を行います。菊水酒造も在来作物というべき「酒米菊水」の自家採種による酒造りを行っており、今回の上映に関して協力していただく予定です。

7月に監督と江頭先生から正式に新発田に来ると連絡があり。江頭先生は上映日の前後に「二ツ山一重菊」という珍しい食用菊の調査・訪問をしたいということなので現在栽培農家を確認中です。久保ナスについては、「コダマ種苗店」と「ととんとん」で種を、「タネゴン」では苗を販売しているそうです。主に五十公野農協管内で栽培し、ふれあい市に出荷しているという話しで、久保地区の話しは聞こえてきません。久保地区は販売や自家消費など従来と同じスタイルなので情報は外には出てこないようです。種屋さんの種は久保地区から採取されているようです。五十公野や他にも広がったのは、山王で浅香農園が苗を販売していたこともあったかもしれません。

農と食の連携の一環として、新発田食探訪実行委員会の渡辺さんに在来作物である「大峰かおり」をこの秋に開かれる「おごっつおう祭り」に使って欲しいとお願いしました。9月下旬には上映のプレイベントで「在来作物を食べる会」の開催を予定しています。単に映画の上映だけでなく、農と食の連携や体験による勉強会など、映画を通して地域文化の創造と発見を行っていきたいと思います。

昭和の途中まで、農家では自家採種して野菜を作ることは珍しくありませんでした。その後、流通や収量、バラツキなどの問題もあってか自家採種する人は少なくなりました。
映画に外内島キュウリという品種のキュウリが出てきます。苦みがあって甘くてジューシーな昔ながらのキュウリだそうです。確かに今のキュウリは昔と比べて味気がなくなったように思います。ローカルな地産地消の時代から流通拡大による経済成長時代になると、価値観が変わりました。「時間が経っても品質保持が図られること」「見た目が良いこと」「収量が上がること」など流通と農業経済からみた価値観です。今は見た目が良く日持ちのするブルームレスという品種が主流だそうです。一報、白い粉のつくブルーム品種の方が味がよいと見直す動きもあるようです。

山形で在来作物が多く残っているというのは、加工文化と食文化が切り離されずに暮らしの中にあるということでしょう。新発田市で久保ナスが残っているのも食文化として重宝されているからです。浅漬けにすると皮が柔らかく美味しいそうです。反面、白十全は新発田では消えてしまったそうです。他の代替え品の登場で、おそらく久保ナスのような存在感が無かったのかもしれません。(因みに白十全の種はあるそうですが、・・・・)

アルケッチャーノの奥田さんが在来野菜と出会って山形市鶴岡に店を出したのも、鼓童の前身のおんでこ座が三宅島に伝わる「三宅」という太鼓を世に出したのも図式としては似ています。それは、生産者(農家)と消費者の間をつなぐ人の存在です。おんでこ座には田耕氏というカリスマ的な創始者おり、地方の民俗芸能をリメイクして舞台に上げました。アルケッチャーノの奥田さんも同じような役回りの感じがします。

蓄積された文化が新たな価値観と結合することでさらに個性に磨きがかかる、この映画に登場する在来作物がそれを教えてくれます。固有の風土が新しい価値観と出会い、交流を通して磨かれ、その存在感を増していく、在来作物を通してみる地方文化の豊かさ、グリーンツーリズムや6次産業など今日的なテーマに創造性を与えてくれる映画だと思います。

余談ですが、紫雲寺二ツ山が「二ツ山一重菊」という一重の珍しい食用菊の産地ではないかということも、藤塚浜にある「盆踊り」が新発田地域一帯の盆踊りと全く異なっていることも、紫雲寺地区における文化が干拓時代の交流と深く関わっているのではないだろうかなどということも興味深い事柄です。
小柳 繁

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